2025/01/29
「歯磨きで歯がしみる!」
「歯磨きで歯がしみるのはなぜ?対処法を知りたい」
とお悩みの方へ。
歯磨きの時に歯がしみる原因は、象牙質や歯髄(しずい)という歯の組織にトラブルがある可能性があります。
歯医者さんに行くのは気が重いものですが、放置することは絶対におすすめしません。
この記事では歯磨きで歯がしみる時に考えられる原因や症状を見分けるポイント、歯磨きの対処法をご紹介します。
現在歯に不安を抱えている方は、ぜひ最後までお読みください。
歯磨きの時に歯がしみる!考えられる原因や症状は?
歯磨きで歯がしみる時、主に考えられる原因は以下の4つです。
- 虫歯が進行している
- 知覚過敏による痛み
- 歯にヒビが入っている
- 酸蝕症(さんしょくしょう)による痛み
それぞれについて、順番に解説します。
【歯がしみる仕組み】歯磨きで歯がしみるのは象牙質や歯髄(しずい)に原因がある
歯磨きで歯がしみる時は、エナメル質の内部にある象牙質がむき出しになっている状態です。
歯は外側からエナメル質・象牙質・歯髄(しずい)(神経)という3層でできており、正常な状態であれば歯磨きで歯がしみることはありません。
表面のエナメル質は大変硬く、外部の刺激から象牙質や神経である歯髄を守っています。
しかし何らかの原因でエナメル質が役割を果たせないと、刺激は象牙質へと伝わります。
象牙質はエナメル質より少し柔らかい組織です。
象牙細管という小さな管が中心の歯髄に向かって伸びており、象牙細管を通る液体の動きが、冷たいものや熱いもの、甘いものや歯磨きといった刺激を感知して歯髄という神経に伝えます。
歯の中心にある歯髄は歯の中心で、柔らかい組織です。
血管や神経が分布していて、柔らかい歯髄が刺激を受けるとしみるという痛みを感知します。
上記が、歯がしみる時に歯の中で起こっていることです。
考えられる原因1:虫歯が進行している
歯がしみるときの原因の1つは、虫歯です。
虫歯菌がエナメル質を破壊して象牙質に達すると、神経に刺激が伝わります。
さらに進行して歯髄へ達すれば痛みは強まり、何もしなくてもズキズキ痛むようになります。
考えられる原因2:知覚過敏による痛み
圧が強すぎる・かたい歯ブラシで強く磨くなどの不適切な歯磨き、歯周病、加齢、歯ぎしり、食いしばりは歯茎を退縮させ、歯の根元の象牙質が露出することで知覚過敏が発生します。
歯の根元にはエナメル質がありません。
健康な歯茎であれば、歯茎が歯の根元の象牙質をカバーしていて、歯を刺激から守っているのです。
歯茎が下がると象牙質が直接空気や刺激物に触れることになり、歯磨きなどの刺激で歯がしみてしまいます。
考えられる原因3:歯にヒビが入っている
かみ合わせ不良や外傷、なんらかの過度な力が加わると、歯にはヒビが入ります。
ヒビが入るともちろん痛みがあり、虫歯に似たズキズキとした痛みが特徴です。
歯のヒビが軽度であれば、レジンで接着することもできますが、割れた歯は元通りになりません。
特に歯の根っこにヒビが入るとレジンでも補修できず、抜歯することもあります。
どのように治療できるかは、歯医者さんの判断となります。
考えられる原因4:酸蝕症(さんしょくしょう)による痛み
歯の表面にあるエナメル質はリン酸カルシウムという成分で構成されており、人体で最も硬い組織です。
エナメル質は硬いですが、強い酸に触れると分解して溶けてしまう性質があります。
これを酸蝕症といい、歯磨きで歯がしみる一因となります。
酸蝕症は炭酸飲料や胃酸の逆流、酸性の強いものに頻繁に触れることで発症リスクが高まります。
エナメル質が溶けて象牙質がむき出しになると、知覚過敏のような症状が起きてしまうのです。
歯磨きで歯がしみる原因は知覚過敏?虫歯?見分けるポイントについて
歯磨きで歯がしみる原因として多い知覚過敏と虫歯について、見分けるポイントを見た目と痛みで表にまとめました。
知覚過敏 | 虫歯 | |
---|---|---|
見た目 | ・歯茎が下がって象牙質が露出している ・エナメル質が欠けている |
・歯が変色している部分がある ・歯に小さな穴が開いている |
痛み | ・温度変化に敏感になり、冷たさで鋭い痛みが走る(一過性) ・歯ブラシをあてると痛みが出る ・歯をコンコンと叩いても痛みがない |
・歯をコンコンと叩くと痛みが響く ・進行するほどに痛みが強くなる |
歯がしみる部分を鏡で見て、変色があれば虫歯の確率が高いでしょう。
知覚過敏の場合、大きな変色はありません。
温度に敏感になるので、冷たいもの・熱いものがしみる時は知覚過敏の疑いがあります。
【早期受診がおすすめ】痛みや症状を放置することのリスク
「歯磨きする時痛いだけだから」など、歯に痛みがあっても放置しがちです。
まだ大丈夫だろうと受診を先延ばしにすると、病気を見落としてさらに悪化させてしまいます。
もし虫歯だった場合、気づかずに進行している場合もあります。
ずっと痛かったのに痛みが止まった場合、治ったわけではなく、神経まで蝕まれることで痛覚がなくなっている(=痛みを感じない)可能性が高いのです。
虫歯でもそれ以外の症状でも、進行してからの受診は処理が大がかりになり、費用もかかります。
明らかな穴がある、一時的でも同じ場所が痛む、徐々に痛みが強くなっているなどの症状があれば、すぐに受診してください。
歯磨きで歯がしみる時の対処法4つ
歯磨きで急に歯がしみた時は、磨き方を以下のように工夫してみてください。
- 今まで通りの歯磨き方法は避ける
- 歯ブラシの「かため」は避ける
- ブラッシング圧を弱くしてみる
- 知覚過敏なら有効成分配合の歯磨き粉に変えてみる
上記は一時的な対処法であり、最善は早めに歯医者さんを受診することです。
受診までの歯磨き方法について、順番に解説します。
1.今まで通りの歯磨き方法は避ける
歯磨きの時に歯がしみたり知覚過敏のような痛みを感じたりする原因は、自己流の歯磨きにあるかもしれません。
もちろん毎日の歯磨きは欠かせませんが、しみる痛さに耐えて無理に続けるのは控えるべきです。
歯磨きで歯がしみる時は、今までの歯磨き方法よりも優しく磨いて歯に刺激を与えすぎないことを意識してください。
例えばブラッシング圧が強い場合、小刻みに磨くことや毛先が柔らかい歯ブラシに変えるなどを試してみましょう。
歯がしみる原因は、多くの場合エナメル質に原因があります。
どんなに歯磨きに気を付けても、エナメル質が再生することはありません。
少しでも異常を感じるなら歯医者さんを受診しましょう。
2.歯ブラシの「かため」は避ける
歯磨きで歯がしみる時はもちろん、歯が健康な状態であっても歯ブラシの「かため」は刺激が強くおすすめしません。
爽快感がありしっかり磨けたような気分になる「かため」の歯ブラシは、しっかり歯を磨きたい方に人気です。
しかしエナメル質や歯茎を傷つけるリスクが高いので、強い力で磨いてはいけません。
3.ブラッシング圧を弱くしてみる
歯磨きのブラッシング圧は、100~200gがベストです。
歯に歯ブラシを当てたとき、毛先がわずかに曲がるかどうかが1つの目安となります。
電動歯ブラシを使う習慣がある方は、特にブラッシング圧には気を付けてください。
電動歯ブラシについては、電動歯ブラシのメリット・デメリットは?電動歯ブラシが向いている人・向いていない人も紹介 で解説しておりますのでぜひご参照ください。
4.知覚過敏なら有効成分配合の歯磨き粉に変えてみる
歯がしみる原因が知覚過敏なら、有効成分が配合された歯磨き粉もおすすめです。
乳酸アルミニウムや硝酸カリウム(カリウムイオン)という成分が、特に知覚過敏に効果が期待できます。
- 乳酸アルミニウム:歯髄に刺激を伝える象牙細管をブロックして、知覚過敏の症状を抑える効果が期待できる。歯ぎしりによる知覚過敏にも、一定の効果が期待できる成分。
- 硝酸カリウム:薬用成分が露出した象牙質をカバーすることで、象牙細管へ刺激が伝わらないようにする働きがある。使い続けることで、歯がしみる症状の緩和が期待できる。
上記は、あくまでも歯磨きがしみて辛い時の一時的な対処法です。
痛みを感じた時は、放置せずに歯医者さんを受診しましょう。
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まとめ
歯磨きで歯がしみる時に考えられる原因や、対処法を解説しました。
この記事をまとめます。
- 歯磨きで歯がしみる時は、歯の表面にあるエナメル質に原因があることが多い
- 歯磨きで歯がしみたら、早めに受診して問題がないかチェックする
- 歯磨きで歯がしみるときは、毎日の歯磨き方法や歯ブラシを見直す
歯磨きの時だけ歯がしみる場合、「また今度歯医者に行こう」と放置しがちです。
しかし何らかのトラブルが潜んでいるケースが多く、治療や通う時間といった負担を減らすためにも、早めの受診がおすすめです。
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