2021/04/26
常に健康で清潔な歯を守るために「自分の口にあった歯ブラシ」を適切に選ぶことは非常に大事です。毎日ちゃんと歯を磨いているのに虫歯になりやすいという方は、歯ブラシやオーラルケア商品の選び方を誤っている可能性もあります。
今回はデンタルメーカーのOKAMURAが「歯ブラシの正しい選び方」と「交換時期」について解説します。また私達デンタルメーカー社員が使っている「イチオシの歯ブラシ」も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼本記事で紹介する「歯ブラシの選び方」4つ
・歯ブラシを「5つの特徴」から選ぶ
・歯ブラシを「年齢別」で選ぶ
・改善したい悩みから「歯ブラシとあわせて使いたい」商品を選ぶ
・歯ブラシを「プロの愛用品」から選ぶ
歯ブラシを選ぶ際には5つの特徴に着目する
歯ブラシを選ぶ際にチェックするポイントは「毛の硬さ」「毛先の形」「毛の太さ」「ヘッドのサイズ」「持ち手」の5つです。それぞれの適切な選び方について、解説していきます。
【1】歯ブラシの「毛の硬さ(かたい・普通・やわらかい)」
歯ブラシを選ぶポイントの1つ目が「歯ブラシの毛の硬さ」です。主に「かたい・普通・やわらかい」の3種類があります。
ふつう | 歯垢が取れやすく、一般的には最もオススメしたい硬さ。 |
やわらかい | 歯茎が弱い・敏感という方にオススメ。「歯石を落とす」にはやや不向きである。 |
かたい | お年寄りや筋肉に力が入りづらい方など歯を磨く力が強くない方にオススメ。 |
あなたが歯茎や握力にとくに懸念がない場合は「ふつうの硬さ」を選べば間違いありません。
【2】歯ブラシの「毛先の形」
歯ブラシを選ぶポイントの2つ目は「歯ブラシの毛先の形」です。毛先には以下の様な種類があり、自分の悩みにあった形を選ぶと良いでしょう。
フラットタイプ | 歯に毛先が均等にあたるので、バランスよく歯垢を除去できる。 |
ラウンド毛タイプ | 毛先が丸みを帯びている。 歯の表面に付着した汚れを落としやすく、一方で歯間の汚れは取りづらい。 |
テーパード毛タイプ | 毛先が細くなっており、歯間の汚れを取るのに向いている。 表面の汚れは取りづらい。 |
山切りカットタイプ | 毛先がギザギザの形状に加工されており、歯と歯の間に入りやすい。 歯周ポケットにもブラシが入りやすい。 |
ちなみに最もオススメの使用方法は「用途別に歯ブラシを2本使い」することです。例えば「ラウンド毛」のブラシで全体を磨いた後に「テーパード毛」のブラシで細かい歯垢汚れを取ることで、互いの強みを活かした質の高い歯磨きができます。
【3】歯ブラシの「毛先の太さ」
歯ブラシを選ぶポイントの3つ目は「歯ブラシの毛先の太さ」です。「太め」「細め」の2種類があります。
毛先太め |
毛が太いほど弾力があり、表面の歯垢が取れやすくなる。 |
毛先細め | 毛先が細いほど「表面の歯垢」は取りづらくなるが、歯周ポケットに入りやすいので 「歯間の歯垢」を取り除きやすくなる。 |
【4】歯ブラシの「ヘッドの大きさ(小型・大型)」
歯ブラシを選ぶポイントの4つ目は「歯ブラシのヘッドの大きさ」です。
「大型」と「小型」のものがありますが、これに関しては一律で「小型」のモノを選ぶのがオススメです。
ヘッド大き目 | ヘッドが大きい分、一度に大きな面積を磨けるので「時間の短縮」になる。 一方で狭い部分を磨くのに適しておらず 奥歯や歯の裏側などに磨き残しが出やすいという欠点がある。 |
ヘッド小さめ | ヘッドが小型であれば、歯の裏側や奥歯など狭くて磨きづらい箇所もブラシが届く。 特に「磨き残し」や「虫歯」が気になる人は、小型ヘッドの歯ブラシがオススメ。 |
「大きめのヘッド」をつい選んでしまう方も多いと思いますが、歯を常に清潔に保つためには出来る限り「小型ヘッド」の歯ブラシを選ぶようにしましょう。
【5】歯ブラシの「グリップの握りやすさ」
歯ブラシを選ぶポイントの5つ目は「歯ブラシのグリップの握りやすさ」です。
意外と見落としがちですが、歯磨きの効果を最大化するために「グリップが手に合っているか」は重要なポイントです。
メーカーごとに「カーブがついている」「親指にフィットするような突起がある」「ギザギザの形状で滑りづらい」など、様々な種類のグリップが展開されています。
まずは色々な種類を試して、自身がもっとも「握りやすい・力を入れやすい」と感じるものを見つけてみてはいかがでしょうか。
歯ブラシを選ぶ際は「年齢別」で考える(赤ちゃんから高齢者まで)
つぎに「5つの年齢別」で考える「おすすめの歯ブラシの選び方」をご紹介します。
<5つの段階>
- 赤ちゃん
- 子ども(3〜5才)
- 子ども(6〜12才)
- 大人
- 高齢者
人は年齢によって「口内の大きさ」や「歯のサイズ」「歯間の広さ」など、口内の状態が大きく変化します。それぞれの年齢ごとに適切な歯ブラシ・アイテムを選ぶことで、口腔環境が整えられます。
1. 赤ちゃん
生後間もない乳幼児は、まだ歯が生え揃っていない状態です。この「乳歯がまだ生えそろっていないタイミング」から、ガーゼや指で「口に食べ物以外の異物を入れる」ことに慣れる練習をしておきます。
乳歯が徐々に生えそろってきたら、ガーゼと並行して徐々に歯ブラシへ移行すると良いでしょう。
赤ちゃんは口内が狭く、繊細なので
- ヘッドが小さい
- 毛がやわらかくて細め
- ハンドルは保護者が握りやすいもの
を選ぶのがオススメです。
2. 子ども(3〜5才)
乳歯が生えそろい自分で歯を磨ける年齢になってきた3~5歳。
この年齢はとにかく活発で動き回る年齢なので、何よりも「安全面」に考慮して歯ブラシを選ぶのがオススメです。
- 毛先がやわらかくて細め
- ヘッドが小さめ
- のどに刺さらない加工がされている
「のどに歯ブラシが刺さらない加工」とは、例えば「のど突き防止プレート」と呼ばれるプレートが歯ブラシに付着しているものや、あるいはハンドルや先端がぐにゃりと曲がるタイプの商品などがあげられます。
3. 子ども(6〜12才)
6~12歳は歯が乳歯から永久歯に生え変わり、歯ブラシも子ども用から大人用へシフトしていくに丁度良い時期でしょう。選ぶタイプとしては
- 毛先がやわらかい~ふつうタイプ(徐々にシフトする)
- ヘッドは小さめ
がオススメです。「磨き残しが多い」「矯正している」など、それぞれの悩みごとに「毛先の太さや形状」にもこだわりをもって選んでよい時期でしょう。
4. 大人
成人になると、それぞれで口内環境や歯に対する悩みも千差万別です。大人になるにつれ、歯間汚れや磨き残しも増えてくるので、個々の目的にあった歯ブラシを5つの指標から適切に選ぶのが大切です。
あわせて「歯ブラシだけでは口内衛生をカバーしきれない」という問題も出てくるので、その際は後述するデンタルフロスや歯間ブラシなどを組み合わせたケアを心がけましょう。
5. 高齢者
徐々に歯が弱くなったり唾液の量が減ったりと、年齢を重ねるほど我々の口内は繊細な状態に戻っていきます。そのためご高齢者の中には歯ブラシでなく、ガーゼで口内ケアをする方も少なくありません。
もし「歯ブラシ」を使用するのであれば
- 毛先が柔らかい
- 毛先が細め
- 握力がなくてもグリップが持ちやすい
- ヘッドが小さい
など、なるべく口内や歯茎を傷つけづらく、持ちやすい歯ブラシを選ぶのがオススメです。
歯ブラシとあわせて使いたい「用途別のデンタル商品」
あなたのお口を虫歯や口内トラブルから守るためのアイテムは、歯ブラシだけではありません。併用することでさらに口内を清潔に保つことのできる「おすすめの用途別デンタル商品3つ」をご紹介します。
【1】歯間の狭い方の歯垢除去なら「デンタルフロス」
まず歯ブラシとあわせて絶対に使ってほしいのが、歯と歯の間の汚れを糸(フロス)で取り除く「デンタルフロス」です。歯ブラシでは取り切れないような細い歯間の歯垢も、フロスであれば取り除くことができます。
後述する「歯間ブラシ」とこちらの「デンタルフロス」のうち、どちらか一方は毎日のケアに必ず取り入れてほしいほど口内ケア用品としては欠かせない存在と言えるでしょう。
デンタルフロスには長い糸を指に巻き付けて使用する「糸巻きタイプ」と、スティック状の「ホルダータイプ(F字型・Y字型)」の2種類があります。
「糸巻きタイプ」はやや上級者向けなので、まずはホルダータイプのものから挑戦し、徐々に糸巻きタイプへ移行していく方法がオススメです。
デンタルフロス 一覧表 | |||
名称 | ホルダータイプ(F字) | ホルダータイプ(Y字) | 糸巻きタイプ |
イメージ画像 | |||
商品の特徴 | ・前歯の歯垢を取り除くのに向いている。 ・持ち手があって使いやすい。 |
・奥歯の歯垢を取り除くのに向いている。 ・持ち手があって使いやすい。 |
・歯全体の歯垢を取り除くのに向いている。 ・使い捨てで衛生的。 |
難易度 | 初心者向け | 初心者向け | やや上級者向け |
【2】歯間の広い方の口内ケアは「歯間ブラシ」
デンタルフロス同様、毎日のオーラルケアにぜひ取り入れてほしいのが「歯間ブラシ」です。フロスと同様に「歯ブラシで取り切れなかった歯垢や汚れの除去」を目的に使用します。
フロスとの使い分け方は、歯間の狭い方・若者向けが「デンタルフロス」、歯間が広め・ご年配の方向けが「歯間ブラシ」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
歯間ブラシ 一覧表 | ||
名称 | I型 | L型 |
イメージ画像 | ||
商品の特徴 | ・前歯の歯垢を取り除くのに最適。 ・ヘッドを折り曲げて使用することで、奥歯にも使える。 |
・全体に使用することが可能。 ・奥歯の歯垢を取り除くのに向いている。 |
難易度 | 初心者~上級者向け | 初心者~上級者向け |
【3】奥の汚れをピンポイントで落とすなら「ワンタフトブラシ」
「ワンタフトブラシ」は、通常の歯ブラシよりも小さ目のヘッドに毛先がキュッと集まった形状のブラシです。毛先がまとまっておりヘッドも小さいことから、歯ブラシでは届きづらい奥歯や歯間、歯の裏側の汚れを取るのに効果的です。
通常の方はもちろん、例えば矯正中で器具と歯間の細いすき間を磨きたい人や、歯並びが悪く歯と歯が重なるように生えている方には特におすすめです。
デンタルメーカーのプロが愛用する歯ブラシの種類と理由は?
最後に私たち「デンタル製品メーカー」のスタッフが実際に愛用しているイチオシの歯ブラシについて、なぜその商品がオススメなのかもあわせてご紹介します。
【1】Aさん(男性)のイチオシ「オーラルケアのタフト24」
▼商品特徴
歯や歯肉を傷つけない加工がされながらも、虫歯や歯周病の原因となるプラークをしっかり掻き出すコシのある毛先が特徴の歯ブラシです。それぞれの口腔環境に最適なブラシが選べるよう、「歯肉が健康でブラッシング圧が強い方向け」や「頑固なプラークがある方向け」など、6種類のかたさがラインナップされています。
「僕がこの商品を使っている理由は、磨き心地が快適で汚れもしっかり落としてくれる歯ブラシだからです。『PBT毛』というポリエステルの毛を使っているのですが、オーラルケア社独自のものはコシがあって耐久性が抜群なんです」
「あとは3列植毛で持ち手もストレートという「超シンプルな形状」なので、老若男女誰でも使いやすいのではないかと思います。」
【2】Bさん(女性)のイチオシ「オカムラDX(デラックス)」の毛先が細いタイプ
(商品情報:http://okamuragroup.com/product/okamura-dx/)
▼商品特徴
デンタルメーカー「オカムラ」が、全国100名の歯科衛生士さんとタッグを組んで開発した「高品質」な歯ブラシ。歯科医院での販売にも対応しています。機能性としてはもちろん、毎日使いたくなるようデザイン性にもこだわって作られています。
毛先の形は「先細タイプ」「平型タイプ」、ヘッドのサイズも「大きめ」「小さめ」から、ご自身の口に合うものを選ぶことができます。
毛先の形は「先細タイプ」「平型タイプ」、ヘッドのサイズも「大きめ」「小さめ」から、ご自身の口に合うものを選ぶことができます。
「私がこの商品を選んだ理由は、歯科衛生士さんが推奨の「ペングリップ持ち」がしやすいグリップの形状にあります。持ち手が8角形になっており、どの角度から握ってもペングリップ持ちができるのが特徴です。」
「また私は歯間に汚れが残りやすいのが悩みなので、毛先が細いタイプを選んで使っています。
「オカムラDX」とデンタルフロスを併用することで、歯間汚れが減り口内トラブルの悩みからかなり解消されました。」
——–いかがでしたか?皆さんの商品選びの参考になれば幸いです。
ちなみに、歯ブラシの適切な交換時期と理由は?
歯ブラシの適切な選び方が理解できたところで、そもそも「歯ブラシの適切な交換時期」は何カ月くらいなのでしょうか?
結論からお伝えすると、適切な交換時期はズバリ「使用から1ヶ月」です。
私たちの目には見えませんが、約1カ月間使用した歯ブラシにはなんと「トイレ便器に繁殖する量と同じ、もしくはそれ以上」もの細菌が繁殖してしまいます。
よく歯ブラシの交換時期について「毛先が広がったタイミングで交換してください」という文言を見かけますが、そうすると個々人の磨く力の差によって交換のタイミングが大きく異なってしまいます。
なるべく清潔な歯ブラシを使用するためにも、1カ月を目安に新品に交換するよう心がけましょう。
まとめ
今回はそれぞれのお口状態にあった「適切な歯ブラシの選び方」と「歯ブラシの交換時期」について、デンタルメーカーの知見をもとに解説しました。
歯ブラシは毛質からヘッド、グリップに至るまで、各デンタルメーカーによる様々な工夫が施されています。同じ歯を磨く行為であっても、自分に合ったブラシを使っているか否かで「歯垢や汚れの落ち方」に雲泥の差が生まれます。
ぜひ記事を参考にして、自分のお口に最適な歯ブラシを正しい頻度で購入してみてくださいね。
⇛ ご自身にぴったりの歯ブラシを見つけるなら、ぜひ一度『オカムラ』までご相談ください!