2022/09/30
歯ブラシの「毛先の選び方」で、お悩みではありませんか?
歯ブラシコーナーにはさまざまな毛先の種類があり、どのブラシが自分に合っているのかがわからず、悩む方も少なくありません。
間違った種類を選ぶと、歯ブラシの効果を十分に得られなかったり歯茎を傷つけてしまったりするリスクもあります。
そんな皆さんのために、この記事では「デンタルメーカーOKAMURA」が、歯ブラシの毛先の種類や選び方・お口に合った歯ブラシを選ぶポイントについて解説します。
日々の歯ブラシ選びに、ぜひお役立てください。
買い替える前に知っておきたい!歯ブラシの毛先の種類
歯ブラシの毛先を選ぶとき、重視すべきポイントは以下の4つです。
- 毛先の「形状」
- カット
- かたさ
- 素材
この4項目それぞれで「自分の口内環境や目的に合致した種類」を選ぶことにより、最適な歯ブラシを見つけることができます。
まずは、4つのポイントそれぞれの種類や特徴・機能性についてご紹介します。
1.毛先の形状の種類
歯ブラシの毛先選びで注目すべきポイント、1つ目は「毛先の形状の種類」です。
歯ブラシの「毛先の形状」は、主に以下の3つへ分類されます。
- 平切り毛
- 先細毛
- スパイラル毛
それぞれの特徴・機能性について見ていきましょう。
1-1.平切り毛(ラウンドカット)
- 平切り毛はこんな人におすすめ→歯の表面の黄ばみや汚れが気になる方
「平切り毛」は最も市場で出回っている、定番の毛先です。
「平切り」という名前通り、歯の表面に対して均一にブラッシングできる点が平切り毛の特徴です。毛先が丸くカットされているため、次に紹介する「先細毛」に比べ歯茎を傷めづらいといったメリットもあります。
歯茎に負担をかけず歯の表面をしっかり磨ける形状のため、誰に対してもおすすめできる毛先となります。
1-2.先細毛(さきぼそもう)
- 先細毛はこんな人におすすめ→歯周病予防をしたい人、歯間をしっかり磨きたい人
「先細毛」は先端にいくほど細くなる毛を用いているため、歯間や歯周ポケットといった「歯や歯茎のすき間」をしっかり磨けるという強みを持ちます。
先細毛のブラシで歯周ポケット内の細菌を取り除くことで、歯周ポケットの細菌の繁殖を防ぎ、歯周病予防に大きな効果を与えます。
◆
そんな「先細毛」の歯ブラシですが、毛の生え方によって『片テーパー毛』と『両テーパー毛』という、2種類へ分類されます。
・『片テーパー毛』
歯ブラシの片側の毛が「平切り」もう片側が「先細」になっている、おもしろい形状が特徴。1つの歯ブラシで「平切り」と「先細」両方の効果を期待できる点がメリットです。
・『両テーパー毛』
「すべての毛が先細」になっており、毛が歯間に奥まで届く仕様になっています。先細毛本来の、歯間や歯周ポケットの汚れをしっかり除去する機能が活かされた仕様です。
また、テーパー毛は平切りの毛より「柔らかい毛」を使うことが多く、より歯茎を傷めづらい特徴があります。歯周ポケットまでしっかり届き、なおかつ柔らかい毛で歯茎を傷めにくい点が歯周病ケアに向いている大きな特徴です。
1-3.スパイラル毛
- スパイラル毛はこんな人におすすめ→しっかり歯を磨きたい方
上記で紹介した2種類とは異なり、毛の加工方法に違いがあるのが「スパイラル毛」です。
「スパイラル毛」はその名の通り、毛先1本1本をねじって束にすることで表面の凸凹を増やし、歯との接触面積を増やすことで歯垢をよく絡めとります。また毛をねじることで他の毛先より「しなり」が強いため、高い強度でしっかりと歯垢を除去できる点も魅力です。
「毛を1本1本ねじって束にした製法=スパイラル毛」のため
- 「スパイラル毛」の平切り
- 「スパイラル毛」の片テーパー毛
といった、多機能を備えた種類の歯ブラシもあります。
2.毛先のカットの種類
毛先選びで注目すべきポイント、2つ目は「毛先カット」についてです。
毛先カットでは「平型」と「山型」の2種類が一般的です。
2-1.「平型」は歯の表面がしっかり磨ける
歯ブラシの毛が「平ら」な形状でカットされたものを「平型」といいます。
磨いた際、圧力が均一にかかるため、歯の表面を満遍なくしっかり磨けるのが特徴です。
また歯科医師が推奨する「つま先磨き(前歯の裏側みがくときに、歯ブラシ先端の毛先をつかって汚れをかき出す方法)や、「かかと磨き(前歯の裏側みがくとき、歯ブラシの根本の毛で汚れをかき出す方法)」といった磨き方を行う場合、「平型」の形状が最も適していると言われています。
「平型」は臨機応変にどのような磨き方にも対応できるため、年齢を問わず、幅広い層におすすめです。
2-2.「山型」は歯間にフィットしやすい
毛先がまっすぐだった「平型」に対し、毛先がギザギザにカットされた「山型」は、歯間にフィットする点がメリットです。
尖った毛先が歯周ポケットや歯間にも入りやすいため、歯間に汚れが詰まりやすい方や歯の矯正器具を装着している方など「歯のすき間が多い方」に向いています。
また「山型」といっても、山の形や尖り具合など、その形状はメーカーによって様々です。興味があるものをいくつか試し、ご自分の歯の合うものを探してみましょう。
3.毛先のかたさ
毛先選びで注目すべきポイント、3つ目は「毛先のかたさ」についてです。
歯ブラシの毛のかたさは、「普通・やわらかめ・かため」の3種類が一般的です。
好みで選ぶ方も多いのですが、各かたさの特徴や向き不向きを知っておくと、より効果的にあなたの口に合う歯ブラシを選べます。
3-1.歯茎が健康なら「普通」がおすすめ
歯茎が健康で特に気になる症状もないなら、かたさは「普通」の歯ブラシがおすすめです。普通タイプは誰でも使いやすい仕様に作られているため、力を入れすぎず正しい方法で歯を磨くだけで、しっかりと歯垢の除去ができます。
「”かため” の方がよく汚れが落ちるのでは?」と思われがちですが、実際のところ「かたい=汚れが落としやすい」ということはありません。
むしろ、かたい毛先は歯茎を傷める原因となるため、基本的には「やわらかめ~普通」のものが推奨されています。
3-2.歯にダメージがあるなら「やわらかめ」がおすすめ
歯にダメージがある方や歯周炎、歯周病などお口のトラブルを抱えている方は、歯茎の負担が少ない「やわらかめ」がおすすめです。
また小さなお子さん用の歯ブラシも「やわらかめ」を選ぶようにしましょう。乳歯は歯の質が弱いため、硬い歯ブラシは歯の表面にあるエナメル質を傷つけてしまいます。
3-3.「かため」は歯茎を傷つけるリスクがある
「ゴシゴシ磨ける」からと人気のある「かため」ですが、歯ブラシメーカーのOKAMURAとしては、基本的に”かため”の毛はおすすめしません。
かたい毛でゴシゴシ磨くことで「歯表面のエナメル質」や「歯茎」が傷ついてしまう上、歯茎が下がりやすくなるといったデメリットもあります。
歯茎の下がりは「歯が抜ける原因」にもなるため、長期的な口内の健康を考慮すると「かため」の歯ブラシは割けるのが望ましいと考えています。
4.歯ブラシの毛先の素材
毛先選びで注目すべきポイント、4つ目は「毛に使われている素材」です。
歯ブラシの毛の素材には「人工毛」と「自然毛」の2種類があります。
4-1.人工毛
歯ブラシでは、人工的に作られた「人工毛」が一般的です。人工毛にはナイロンと飽和ポリエステル樹脂(PBT)があり、以下のように特徴が異なります。
- ナイロン
安価かつ王道の素材である「ナイロン」は、歯ブラシ市場で最もベーシックな種類です。
大きな特徴はありませんが、吸水性が低いため歯磨き後も水を含みにくく「乾燥しやすい」「雑菌が繁殖しづらく衛生的」といったメリットがあります。
特に毛質にこだわりがない方は、比較的手頃な値段で購入しやすい「ナイロン」の歯ブラシで問題ありません。
- 飽和ポリエステル樹脂(PBT)
飽和ポリエステル樹脂(PBT)はナイロンよりもコシがあり、しなやかさと耐久性の高さに優れた素材です。弾力のある毛でしっかりと歯を磨ける上、歯茎に刺さりにくく、口内を傷つけないという高い機能性を備えています。
価格帯としてはナイロンより多少お高めですが、歯科専売品の歯ブラシでもよく採用されており「歯磨きの効果にこだわりたい」という方にぴったりです。
ナイロンよりさらに吸水性が低い素材のため、衛生面でも抜群です。
4-2.自然毛
人工的に作られた素材である「人工毛」に対し、自然由来の素材から生まれたのが「自然毛」です。
SDGsより、プラスチックを極力使わない“脱プラ”の観点から注目が高まっている「自然毛」の歯ブラシ。最近では「馬や豚の毛」を使ったものが、じわじわと人気を博しています。
自然毛はその「柔らかさ」が特徴で、人工毛より歯のエナメル質を傷つけにくい点がメリットです。また「復元率」が高いため、使いすぎて毛先が開いたり折れたりしても形状が戻りやすく、人工毛の歯ブラシより長持ちします。
一方、吸水性が高く乾きづらいため、衛生面としては課題が残ります。水にぬれたままの歯ブラシは雑菌が大変繁殖しやすいため、保管時はしっかり毛先を洗い、風通しの良い場所で保管するなどの配慮が必要です。
以上、歯ブラシの毛先を選ぶときに注目したい「4つのポイント」でした。
「毛先以外」で歯ブラシを選ぶ2つのポイント
お口に合った歯ブラシの選び方には、「毛の種類以外」に以下の2つのポイントがあります。
- ヘッドの大きさ
- 歯ブラシ自体の形状
上記2つについて、順番に解説していきます。
1.ヘッドの大きさ
歯ブラシのヘッドは大きめ・小さめの2種類が一般的です。
口内で小回りが利く「小さめ」ヘッドは細かいところや奥歯まで届き、しっかりブラッシングできるという特徴があります。口内が小さな女性やお子さんには、小さめヘッドが特におすすめです。
「大きめ」は歯の表面に対する接触面積が広く「効率よく磨ける」という特徴があります。
以前は「ヘッドが大きい=小回りが利かないからNG」というイメージが強かったものの、最近では「ヘッドが大きいが、薄型のもの」など、工夫された商品も展開されています。
ちなみに歯ブラシメーカーOKAMURAとしては、小回りが利き、口の奥や歯の裏までブラシが届きやすい「小さめ」ヘッドの歯ブラシを推奨しています。
小さめな分、歯磨きに時間はかかってしまいますが、可能であれば1日1回、オーラルケアにしっかり時間を取って丁寧に歯を磨いていただけると嬉しいです。
2.歯ブラシの形状
歯ブラシの形状では、持ち手の「ハンドル」部分と「ネック」部分、2箇所に注目することが重要です。
まず「ハンドル」では
- 持ちやすいよう突起が付いたもの
- 握りやすいラバー素材のもの
など選ぶのがおすすめです。ハンドルで手元をしっかり固定することで、安定した角度で歯を適切に磨くことができます。
「ネック部分」はまっすぐなものより、口内の形にそってカーブを描いている・丸みを帯びているものなどを選ぶのがおすすめです。口の中を傷つけず、奥歯までしっかりブラシを届けることができます。
【お悩み別】歯ブラシの毛先でおすすめの種類
ここまで様々な歯ブラシの種類を紹介してきましたが「結局、自分にとってどれが最適かピンと来ていない」という方もいらっしゃるかもしれません。
以下ではよくある「お悩み別」に、歯ブラシの毛先でおすすめの種類をご紹介します。
- 「歯周病」で悩んでいる、40代男性
- 「奥歯が虫歯」になりやすい、30代女性
- 口内が「傷つき出血」しやすい、20代男性
1.「歯周病」で悩んでいる40代男性
「歯周病」で悩んでいる40代男性におすすめなのは、ずばり「歯周ポケットまでしっかり毛先が届く先細毛」の歯ブラシです。
歯周病菌の増殖を防ぐためには、細やかな歯周ポケットのケアが欠かせません。歯ブラシを45度の角度で当てる「45度磨き」で、軽いグリップで汚れを掻き出すように磨けば、セルフケアでもある程度の歯周病菌を減らせます。
とくに40代になると加齢やストレスから歯周ポケットが深くなり、中度以上の歯周病に悩む方も少なくありません。毛の硬さは「やわらかめ~普通」の歯ブラシを選び、こまめに優しくお口をケアしましょう。
2.「奥歯が虫歯」になりやすい、30代女性
奥歯は歯ブラシが届きにくく、とくに虫歯ができやすい場所です。虫歯予防のためには、奥歯をしっかり磨ける「小さめで薄型ヘッド」の歯ブラシを選びましょう。
また毛の形状としては「スパイラル毛」・素材には「PBT毛」を選ぶなど、歯茎を傷めず歯垢を落とせる「弾力がある毛先」の歯ブラシを使うことがポイントです。
30代女性は出産や子育て、仕事の忙しさなどで、お口に異変を感じても受診しない方が少なくありません。自分に合った歯ブラシを使い、できる限り時間をかけてオーラルケアをしていきましょう。
3.口内が「傷つき出血」しやすい20代女性
口内が傷つきやすい方は「平切り」かつ「やわらかめ」の毛を使った歯ブラシがおすすめです。
平切りタイプは歯の表面に均一に力をかけるため、歯茎に強い負担をかける心配がありません。同様に歯茎への負担を配慮し、毛のやわらかめの歯ブラシを選びましょう。
逆に「先細毛」や「山形」のブラシなど毛先が尖っているもの、歯茎に刺さりやすく出血しやすいためNGです。
以上、タイプ別におすすめしたい「歯ブラシの種類」についてご紹介しました。
毛先にこだわり!オカムラのおすすめ歯ブラシ2選
ここまで目を通していただき「自分に合った歯ブラシが欲しい!」「毛先にもこだわった歯ブラシに替えたい」と思ってくださった方へ。
デンタルメーカーOKAMURAの手がけた、細部までこだわった「おすすめ歯ブラシ」2種類をご紹介します。
1.高い機能性と美しいデザインが特徴「COLORPPO(カラッポ)」
▼特徴
- 「両テーパー毛」と「スパイラル毛」の2種類を植毛
- 毛先の材質は機能性の高い「飽和ポリエステル樹脂(PBT)」を採用
- ネックがしなる高級樹脂の本体で、歯茎を傷めない
毛先の形状・材質をはじめ、すみずみまでにこだわったOKAMURAの自信作「COLORPPO(カラッポ)」。V字植毛の先細毛で歯垢を掻き出し、中心の平切りスパイラル毛で歯の表面の歯垢もしっかり絡めとります。
薄型の小さめヘッドで奥歯までしっかり磨くことができる上、高級樹脂を使用した“しなり”があるハンドル素材のため歯茎を傷める心配もありません。
これだけの機能性を持ちつつ、デザインにもこだわった本商品。バリエーションは驚きの40種類以上を展開しているため、きっとお気に入りの1本が見つかるでしょう。
2.歯科衛生士と共同開発した「OKAMURA DX(オカムラデラックス)」
▼特徴
- 「平切り」「先細毛」の2種類から好きな方を選べる
- 「ふつう」「小さい」の2種類のヘッドサイズから選べる
- 先細毛の「片テーパー毛」の採用で、歯周ポケットと歯表面を両方磨ける
「OKAMURA DX(オカムラ デラックス)」は現役歯科衛生士とデザイナーが共同開発した歯ブラシで、OKAMURAの製品の中でも特におすすめのアイテムです。
毛先は「平切り」と「先細毛」の2種類から、ヘッドの大きさは「ふつう」「小さい」の2種類からと、自身の口内環境に応じて、適したものをカスタマイズできるのが特徴です。
「8角形」の本体は歯科衛生士が推奨する「ペングリップ」に適しており、歯垢除去に良いとされる「45度磨き」をしやすいよう設計しました。
OKAMURA社の100年の歴史と技術が詰まった、こだわりの歯ブラシです。
まとめ
今回は「歯ブラシの毛先の種類」について、それぞれの特徴や機能性について解説しました。気になる種類はありましたか?
▼この記事のまとめ
- 歯ブラシの毛先選びでは「形状」「カット」「かたさ」「素材」の4ポイントに注目
- 「かため」の毛は歯茎を傷めるため、基本的に「ふつう」「やわらかい」を選ぶ
- 毛先以外にも、歯ブラシの「ヘッドの大きさ」「ハンドルの形状」にも着目する
- 自分の歯並びや口内トラブル、口の大きさなどに合わせて適切な歯ブラシを選ぶ
ドラッグストアなどでは毛先の硬さや素材、形状など多くの種類に分かれており、どれを選ぶべきか悩んでしまうものです。
今回ご紹介したように毛先の種類の特徴を知っておき、ぜひ最適な歯ブラシ選びにお役立てください。
「毛先の機能性にこだわった歯ブラシに替えたい!」と思ったら、ぜひOKAMURAの歯ブラシもチェックしてみてくださいね。