2023/10/24
「デンタルフロスを使うことで、歯の隙間が広がってしまうの?」
「歯の隙間が広がった気がするけれど、原因や対策を知りたい」
デンタルフロスに慣れていない方は、「使った後に歯の隙間が広がった気がする」と感じる方も多いようです。
しかしフロスに歯を動かすほど大きな力はなく、ほかの原因が考えられます。
この記事ではデンタルフロスで歯間が広がったように感じる原因やフロスのNGな使い方、歯の隙間が広がる原因を解説します。
「デンタルフロスで隙間が広がる」は誤解!
デンタルフロスは、正しく使っていれば無理に歯間が広がることはありません。
歯列矯正の経験がある方はご存じかもしれませんが、歯を動かすには大きな力が必要です。
そのため、デンタルフロスを通した程度の力で歯が動くことはありません。
しかしデンタルフロスの働きによって、歯茎の隙間が広がったように感じる方は多いようです。
その原因について、詳しく解説します。
デンタルフロスで歯の隙間が広がったと感じる原因
デンタルフロスで歯の隙間が広がったと感じる原因は、主に以下の2つが考えられます。
- 歯間の隙間の汚れが除去されたことで、隙間が広がったと感じている
- デンタルフロスによって歯肉炎が治まり、歯茎の腫れが引いたことで隙間が広がったように感じる
日ごろ使い慣れていない方がデンタルフロスを通すと、長期間詰まっていた歯間の汚れが掻き出されます。
汚れが取れたことで歯間の隙間がいつもより目立つことで、「歯の隙間が広がってしまった」と感じるのです。
また歯間に汚れが溜まっている場合、その部分に雑菌が繁殖して歯肉炎を発症して歯茎が腫れている方も少なくありません。
フロスによって歯肉炎が治まると歯茎の腫れも引くので、その時に歯間が広がったと感じる方もいるようです。
上記はどちらも歯や歯茎にとって良い変化であり、隙間が空いているのは、健康的かつ衛生的になった証拠といえます。
デンタルフロスを使い始めて出血する方は少なくありません。
デンタルフロスを正しく使っているのに出血する・歯間が広がった気がする、と感じる場合は悪い状況になっているわけではありません。
デンタルフロスの正しい使い方については、デンタルフロスは逆効果?やりがちなNGの使い方とフロスを使うべき理由をご参照ください。
歯の隙間が広がったと感じているほとんどのケースにおいては、歯間が広がったように感じているだけの場合が多いのです。
しかしフロスを正しく使えていない・歯茎の状態が悪くなったことで、隙間が気になるケースもあります。
詳しくは次で解説します。
歯茎下がりやフロスの間違った使い方で隙間は広がる
歯間や歯茎の隙間が広がるよくない原因として、以下の2つが挙げられます。
- 歯茎下がり
- 間違ったフロスの使い方
加齢や生活習慣などで歯茎が下がってきた場合も、歯の隙間が広がったと感じます。
歯茎下がりの原因については、歯茎が下がらないようにする方法はある?下がる原因と対処法、おすすめケアグッズをご紹介で詳しく解説しておりますのでぜひご参照ください。
また歯茎下がりの1つの原因として、デンタルフロスの使い方が間違っていることも考えられます。
デンタルフロスを強い力でグリグリと歯茎に押し当てたり、硬い歯ブラシで歯茎をゴシゴシと擦ったりすると歯茎がダメージを受け、歯茎の組織がすり減る「歯肉退縮」を起こします。
オーラルケアの後に歯茎に痛みを感じたり歯ブラシの毛先がすぐ広がってしまったりする方は、ケア方法の見直しが必要です。
歯間が広い場合は歯間ブラシが向いている場合もある
歯間は歯ブラシだけでは汚れを除去できません。
デンタルフロスや歯間ブラシなど、歯間ケアアイテムの併用がおすすめですが、歯間の広さに合わせたアイテム・サイズ選びがとても重要です。
基本的に歯間ケアグッズは、以下のルールで使い分けてください。
- 歯間が広い部分は歯間ブラシ
- 歯間が狭い部分はデンタルフロス
奥歯など歯間ブラシが通らないほど歯間が狭い部分は、デンタルフロスを使います。
無理やり歯間ブラシを押し込んでしまうと、歯茎を必要以上に傷つけたり隙間を広げたりするのでNGです。
フロスを左右に大きく動かさないと汚れが取れないような広い歯間には、歯間ブラシが向いています。
歯間ブラシは初めてなら小さいサイズから始めて、「細すぎるな」と思ったら、様子を見ながら徐々にサイズを大きくしましょう。
歯間ブラシを使うときは、絶対に無理やり歯間に押し込んではいけません。
本来、歯間ブラシは隙間が広い方でないと利用しにくいものです。
入りにくい場合はサイズを小さくするか、デンタルフロスに切り替えましょう。
フロス以外で歯の隙間が広がる2つの原因とその対策
歯の隙間が広がる主な原因として、以下の2つが考えられます。
- 歯周病
- 加齢による歯茎の下がり
それぞれについて、順番に解説します。
1.歯周病
歯磨きが行き届いていない状況が続くと、歯周病を引き起こしやすくなります。
歯周ポケットや歯間に食べかすや歯垢が溜まると細菌が繁殖して、歯石がどんどん増えていくのです。
歯周病によって発生した炎症を長く放置してしまうと、最終的にアゴの骨が溶けてしまいます。
その過程で歯茎が下がり、歯に隙間ができてしまうのです。
対策としては、毎日の口内ケアが重要です。
ブラッシングはもちろん、デンタルフロスで歯間や歯周ポケットをしっかり磨き、歯周病にならないよう丁寧なクリーニングを行いましょう。
2.加齢による歯茎の下がり
歯茎が“痩せる”という表現があり、歯茎は加齢とともにだんだんと痩せて下がっていきます。
平均的に歯茎は10年で2mm下がるといわれており、1mm下がるだけでも見た目印象は変わるので、加齢とともに気になる方は増えてくるものです。
老化現象による歯茎下がりを完全に防ぐことはできませんが、日々のオーラルケアで気を付けたいことがあります。
硬い歯ブラシと強い力で歯茎を磨く、フロスを歯茎に押し込むといった歯肉退縮につながる習慣を見直し、力を入れすぎないようにしてください。
歯の隙間を埋める方法
歯の隙間が気になる場合、自力でどうにかすることはできません。
歯の隙間が気になるなら、以下の方法が挙げられます。
- 歯列矯正を行う
- セラミック矯正やラミネートベニアで隙間を埋める
歯の隙間を埋める方法として一般的なのは歯列矯正です。
ワイヤー矯正で歯にワイヤーをかけ、かみ合わせを整えることで歯間を狭くできます。
矯正は歯を動かすことができる唯一の方法で、隙間だけでなくかみ合わせの改善も同時に行えます。
歯列矯正は、医師の治療方法を守りながら進めると、一番スムーズで高い効果が期待できる方法です。
ただ治療期間が長いことや高額な費用がデメリットとなりますので、始める前に医師に相談するなど十分な検討が必要です。
歯の隙間を埋めるという意味では、セラミックでできたかぶせ物を使うセラミック矯正や、歯の表面を薄く削り、表面にセラミックを接着するラミネートべニア法などもあります。
これらは保険が適用できず高額になるので、歯科医師と相談して選ぶのがいいでしょう。
日本でデンタルフロスの普及が広まりにくい原因
日本ではまだまだオーラルケアに対する意識が低く、フロスを使っている方は多くありません。
フロスに対して時間がない・面倒くさいという抵抗感が強いことが原因ですが、その背景には予防歯科に対する意識の低さも挙げられます。
日本では虫歯になってから歯医者に行く、という方がほとんどで、定期健診などがない限り予防のために歯医者に行く方は26.2%と少数派です。
一方でオーラルケアの意識が高いアメリカでは、予防歯科の理解も深く、約7割の方が虫歯になる前に歯医者に行きます。
Fross or die(フロスを使いますか、それとも死にますか?)という言葉があるほどで、歯ブラシかフロスどちらが大事か?という場合、アメリカでは迷わずフロスを選ぶ方が多いのです。
日本でもオーラルケアの意識が高まり、大人になってから矯正する方やホワイトニングにお金をかける方も増えました。
予防歯科の考えが広まれば、フロスもさらに浸透していくでしょう。
フロスが入らないときの原因と対処法
フロスが歯間にスムーズに入らないとき、考えられる原因は以下の3つです。
- 歯間が狭くて入らない
- 虫歯や歯石汚れが発生している
- 詰め物やかぶせものがフロスの邪魔をしている
フロスを歯間で優しくスライドしても歯間に入らない場合、歯間に対してフロスが太い可能性があります。
細い糸のフロスに変えてもう一度挑戦してみてください。
歯間に入っても途中で止まる、糸が切れるという場合、虫歯や歯石汚れの可能性があります。
また細い糸のフロスも歯間に全く入らない場合、詰め物などが邪魔をしているかもしれません。
上記の場合、歯科医師による治療が必要なケースが多いです。
気になる方は、早めに受診してください。
歯間をケアしたいからにおすすめのデンタルフロス・歯間ブラシ3選
最後に、OKAMURAおすすめの歯間ケアアイテムをご紹介します。
フロスと歯間ブラシ両方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Farbe Flosser(ファルベ フロッサ)
- 100本入りでボリューム感たっぷり
- 防弾チョッキにも使用される強化繊維で絶対に切れない糸
- 手に取りやすいカラフルでかわいいデザイン
Farbe Flosser(ファルベ フロッサ)は100本入りで毎日使いやすいフロスです。
ピックタイプなので糸を切ったり指に巻いたりする必要もなく、気軽に使っていただけます。
防弾チョッキに使われる強化繊維を使っており、絶対に糸が切れません。
「フロスの糸がよく切れてしまう」という方におすすめのフロスです。
→ Farbe Flosser(ファルベ フロッサ)をチェックする
ふわり
- パステルカラーのかわいいデザイン
- 4色のカラーからその日の気分で選べる
- 超極細毛×強靭な糸で初めての方も使いやすい
「ふわり」は『口内ケアも可愛さも”妥協しない”』をコンセプトに造ったフロスです。
糸にクロルヘキシジン(抗菌成分)とフッ素を配合しており、歯垢を除去しながら歯を強化できます。
防弾チョッキに使用される強化繊維を使用しており、歯間が狭くても切れません。
強靭な糸を限界まで細くして束ねた糸で、歯間が狭い方・始めての方にもおすすめのフロスです。
Farbe(ファルベ)の歯間ブラシ
- OKAMURAのトータルオーラルケアの基本を集約した「Farbe」シリーズの歯間ブラシ
- 歯茎を傷めないよう透明コーティングを採用
シンプルさと専門性を集約したFarbe(ファルベ)シリーズの歯間ブラシです。
元気になる明るい色が特徴で、デンタルケアが楽しくなるデザインにしました。
歯間ブラシは透明コーティングによって歯間に挿入しやすく、歯茎を傷めることがありません。
まとめ
デンタルフロスと歯の隙間について、広がったと誤解しやすい理由と隙間が広がる理由、対策についてご紹介しました。
この記事をまとめます。
- 「デンタルフロスで隙間が広がる」は誤解
- フロスや歯ブラシの使い方を間違っていれば、歯肉退縮によって歯間が広がるリスクはある
- 予防歯科の観点からもデンタルフロスなどの歯間ケアは重要
OKAMURAでは、デンタルフロスや歯間ブラシ、歯ブラシなどオーラルケア関連を開発しており、歯科と共同開発した商品もあります。
オーラルケアを見直したい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。