2024/11/19
「プラークコントロール」という言葉を聞いたことはありますか?
歯磨き粉などのTVCMにも使われる言葉「プラークコントロール」とは、プラーク(歯垢)を口内に溜めず、お口を清潔に保つことを指します。
お口を清潔にする=歯ブラシだと思いがちですが、これだけではありません。
プラークコントロールは歯磨き以外に食生活の見直しや定期的な歯科検診など、様々なケアが含まれてた言葉です。
この記事ではプラークコントロールについて、その意味やすぐにできるケア方法、今すぐ始めたほうが良い方の特徴をご紹介します。
虫歯や口臭が気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
「プラークコントロール」とは口腔内を清潔に保つこと
プラークとは歯垢のことで、歯や歯間に溜まる白いカスのような汚れのことです。
そしてプラークコントロールとは、このプラークを除去する・停滞させない・再付着を防ぐといったケアを行い、口腔内を清潔に保つことを指します。
プラークとは歯の表面や歯間に付着する汚れで、食べかすや糖質が元になり繁殖した細菌の塊です。
食後8時間ほどで細菌が汚れを餌に増殖し、プラークを形成します。
プラークは放置すると細菌が繁殖したり歯石になったりしてお口の環境を悪くするので、日々のケアが欠かせません。
プラークコントロールに効果的な3つの方法
プラークコントロールに効果的な方法は、以下の3つです。
- 家で正しい歯磨きを続ける
- 食生活を見直す
- 歯医者さんで定期的な検診やクリーニングを受ける
それぞれについて、順番に解説します。
1.家で正しい歯磨きを続ける
プラークコントロールでは、毎日の正しい歯磨きが大変重要です。
しかし、やみくもにゴシゴシと力を入れて磨いていてはあまり効果がありません。
毎日の歯磨きでは、歯ブラシはもちろん歯間ブラシやフロスも併用しながら、ポイントを押さえた正しい歯磨きが大変重要となります。
歯の磨き方は、歯並びなどの口腔内の状況なども考慮しなければなりません。
そのため歯科医院で、その方に合った正しい磨き方を指導してもらうのがベストです。
また、歯ブラシの毛先が開いていないか定期的にチェックして、1か月に1回を目安に交換してください。
2.食生活を見直す
食事内容や食事のタイミングで、プラークの付き方は変わります。
例えば、以下のような食生活を送っている人はプラークが溜まりやすい傾向にあります。
- 砂糖が入った物をよく食べる
- 炭水化物をよく食べる
- 間食が多い
- 寝る前に食べる習慣がある
- 咀嚼回数が少ない
例え朝・昼・晩の1日3回歯磨きをしていても、上記のような間食が多いとプラークはより溜まりやすくなります。
その結果歯周病や虫歯のトラブルが発生しやすくなるので、間食を止めたり食べる物を見直したりするのがおすすめです。
3.歯医者さんで定期的な検診やクリーニングを受ける
毎日歯磨きをきちんと行っていても、セルフケアでプラークを100%除去することはできません。
定期的に歯医者さんを受診し、口内チェックやプラーク・歯石を除去してもらいましょう。
クリーニングの頻度は個人差があり、状態が良くなければ1か月に1回来るよう歯医者さんに言われることもあります。
数か月に1回や半年に1回など、人によってベストなタイミングはまちまちですので、歯医者さんの指示に従いましょう。
歯医者さんでは、セルフケアと違い専用器具を用いたクリーニングを行ってくれます。
歯の表面をツルツルに磨いてもらうことで、新しいプラークが付きにくくなる効果も期待できます。
また歯科衛生士から、歯並びや磨き方の癖、歯を磨くときの力加減など一人ひとりに合った磨き方の指導を受けることで、より質の高いセルフケアができます。
その結果、より良好なプラークコントロールの維持ができるのです。
歯科衛生士のチェックで、プラークがべったりついている、前になかった場所に歯石があるなどの状況から磨き方の癖や磨き方の問題を判断してもらえます。
セルフケアだけでは難しい部分もあるので、プロの目で定期的に診てもらうことが大事です。
プラークコントロールを行うべき3つの理由
プラークコントロールを行うべき理由は、以下3つが挙げられます。
- 虫歯・歯周病発症のリスク低減
- 口臭予防
- 乳歯から永久歯の生え変わりへの悪影響を防ぐ
それぞれについて、順番に解説します。
1.虫歯・歯周病発症のリスク低減
虫歯や歯周病の主な原因はプラークです。プラークコントロールがしっかりできれば、再発リスクを低減することができます。
お口の環境は人それぞれ違うので、中には詰め物治療でできた隙間にプラークが溜まりやすくなったり、体質的に虫歯になりやすい・なりにくいなどの違いがあったりします。
口内環境があまり良くない人こそ、プラークコントロールに力を入れることが大切です。
2.口臭予防
口臭には様々な原因があり一概には言えませんが、以下のような原因が考えられます。
- 舌の汚れ
- 歯周病
- 唾液不足
- プラークコントロールができていない
プラークを放置すると、繁殖した細菌が食べかすを分解することで口臭が強くなります。
この場合、プラークコントロールによって口臭改善が期待できるでしょう。
3.乳歯から永久歯の生え変わりへの悪影響を防ぐ
子どもの歯が乳歯から永久歯に生え変わる時期にプラークコントロールができていないと、虫歯になるリスクがあります。
さらにこの虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに影響を与えることがあるので要注意です。
具体的には、以下のような悪影響が考えられます。
- 永久歯の欠損
- 生えてくる永久歯がずれる
虫歯によって乳歯のスペースに隣の歯が倒れ込んでしまうと、次に生えてくる永久歯が正常な位置に出てくることができず、ずれてしまいます。
その結果、歯並びやかみ合わせが悪くなる可能性もあります。
上記の理由から、子どものうちからプラークコントロールが大事なのです。
いくつ当てはまる?プラークコントロールができていない人の特徴
「自分がきちんとプラークコントロールできているかわからない」という方は、以下の特徴がないかチェックしてみてください。
当てはまるものが多ければ、プラークコントロールが上手くいっていないかもしれません。
- 歯を磨く回数が少ない
- フロスや歯間ブラシを使用しない
- 間食が多い
- 唾液量が少ない
- 歯に対するセルフケアの意識が低い
- 歯の詰め物・被せ物が多い
それぞれについて、順番に解説します。
歯を磨く回数が少ない
歯を磨く回数は、食後に毎回行うとして1日3回が理想です。
仕事や外出などで1日1回程度しか磨けていない人は、歯を磨く回数が足りていません。
食事を摂るたびにプラークは増えるので、プラークコントロールができていない可能性があります。
フロスや歯間ブラシを使用しない
歯ブラシは歯の表面を磨くのに適していますが、歯間や奥歯の狭い隙間にはなかなか届きません。
フロスや歯間ブラシを使わず歯ブラシのみでケアしている場合、歯間のプラークが蓄積されている可能性があります。
間食が多い
間食として砂糖を使ったお菓子やジュース、コーヒーを飲む習慣があると、その分プラークが溜まりやすくなります。
仕事や家事の間についお菓子をつまんでしまう、という方はプラークコントロールがうまくできていないかもしれません。
唾液量が少ない
ストレスやホルモンバランスの乱れ、口呼吸などで唾液の分泌量が少ない方は、口内の雑菌が増えやすくなります。
唾液には自浄作用があり雑菌やプラークを流す働きがありますが、分泌量が減ると上手く機能できません。
また糖尿病の方や高血圧症によって排尿の回数が増えている方は、体内の水分量が減少することで唾液量も少なくなっているので、適切な水分補給が重要です。
歯に対するセルフケアの意識が低い
「歯磨きがめんどうでついサボってしまう」など歯に対するセルフケア意識が低いと、プラークや歯石が溜まりやすくなります。
特に歯磨きせずに寝落ちすることが多い方は、寝ている間に雑菌が繁殖しているので要注意です。
歯の詰め物・被せ物が多い
歯の詰め物などの補綴物(ほてつぶつ)が多いと、歯と歯茎の間に隙間ができやすくプラークコントロールがしにくくなります。
不必要なスペースにプラークが詰まりやすいので、フロスや歯間ブラシを通す習慣がない方は特に注意が必要です。
上記の項目で当てはまるものが多い方は、プラークコントロールが上手くできていない可能性があります。
次でご紹介するデンタルケアのポイントを参考にして、ぜひデンタルケアの見直しを行ってみてください。
プラークコントロールに効果的なデンタルケア4つのポイント
プラークコントロールに効果的なデンタルケアのポイントとして、以下の4つをご紹介します。
- プラークコントロールに効果的な歯ブラシの選び方
- デンタルフロス・歯間ブラシの併用が望ましい
- 虫歯対策には「フッ素入りの歯磨き粉」がおすすめ
- 歯周病対策には有効成分配合の「マウスウォッシュ」がおすすめ
1.プラークコントロールに効果的な歯ブラシの選び方
プラークコントロールを重視した歯ブラシは、以下をポイントに選んでください。
- 歯の表面だけを磨くなら、ラウンド毛タイプを選ぶ
- 歯間や歯周ポケットもケアしたいならテーパード毛タイプを選ぶ
- 不器用な方・手が不自由な方は電動歯ブラシを活用する
- 歯並びが良くない方はワンタフトブラシを併用する
- 歯肉炎があり痛むならやわらかめの歯ブラシを使う
歯の表面の汚れを落とすためには、毛の断面が丸いラウンド毛の歯ブラシがプラークの除去率が高くおすすめです。
歯間や奥歯の隙間は、フロスを併用して汚れを除去します。
テーパード毛タイプは歯間や歯周ポケットにもアプローチしますが、この場合もフロスや歯間ブラシを併用するのがベストです。
不器用な方や手が不自由な方は、歯ブラシを上下に動かすのが辛いこともあります。
そんな時は、電動歯ブラシを活用すれば無理せずプラークを除去できます。
電動歯ブラシは使い方にコツがありますので、詳しくは電動歯ブラシのメリット・デメリットは?電動歯ブラシが向いている人・向いていない人も紹介 をご参照ください。
歯がガタついている人は、歯の隙間が多くプラークが溜まりやすくなっています。
束状になったワンタフトブラシを使って、隙間もしっかり磨いてあげてください。
口内環境や体質・体調によって歯肉炎がひどく、出血や痛みがある時は「やわらかめ」の歯ブラシを使い、優しく磨くようにしましょう。
歯茎に異常がなくても、かための歯ブラシは刺激が強すぎるためおすすめしません。
2.デンタルフロス・歯間ブラシの併用が望ましい
歯並びが良い方や歯ブラシで丁寧に歯を磨いている方も、ぜひ普段のデンタルケアにはフロスや歯間ブラシを取り入れてください。
歯間や奥歯の隙間部分のプラークは、歯ブラシだけで除去できません。
フロスの使い方については、デンタルフロスの使い方まとめ~糸型・Y型・F型~ をご参照ください。
3.虫歯対策には「フッ素入りの歯磨き粉」がおすすめ
虫歯ケアに力を入れたい方は、フッ素配合の歯磨き粉がおすすめです。
昨今の歯磨き粉はほとんどフッ素が配合されていますが、虫歯ケアの場合はフッ素が1,450ppm程度高配合されたものを選んでください。
フッ素入りの歯磨き粉については、フッ素入り歯磨き粉も虫歯予防に効果的!使い方と安全性を解説します をご参照ください。
また、1日1回フッ化ナトリウムが配合された洗口液を使ったうがいも効果的です。
4.歯周病対策には有効成分配合の「マウスウォッシュ」がおすすめ
歯周病ケアに力を入れたい方は、以下の成分を含んだ洗口液でのうがいがおすすめです。
マウスウォッシュの使い方については、マウスウォッシュの正しい使い方とは?意外と知らない液体歯磨きとの違いを解説 もご参照ください。
- IPMP(イソプロピルメチルフェノール):細菌やカビの繁殖、炎症や悪臭を抑制する
- CPC(塩化セチルピリジニウム):陽イオン性界面活性剤の一種で、強い殺菌・抗カビ作用を持つ
上記の成分であればどちらも歯周病ケアに効果的ですが、迷ったら歯周病ケアにより効果的といわれているCPC配合のものを選ぶと良いでしょう。
歯周病は毎日の歯磨きも大変重要です。
歯磨きについては、歯周病に効果的な歯の磨き方とは?磨く回数やおすすめアイテムを解説 もぜひご参照ください。
プラークコントロールにおすすめ!オカムラのデンタルフロス「ふわり」
- ふわふわの糸が歯茎に優しく初心者の方も使いやすい
- 防弾チョッキにも使われる強靭な糸で、切れにくく使いやすい
- クロルヘキシジン(抗菌成分)とフッ素配合で、歯垢を除去しながら歯を強化
パステルカラーで優しい色合いの「FLOWERI(ふわり)」は、ふわふわ超極細の繊維束でプラークをしっかり絡め取ります。
有効成分が配合されており、歯間のプラークにしっかりアプローチできるフロスです。
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まとめ
プラークコントロールについて、その意味やすぐにできる方法、ケアアイテムの選び方をご紹介しました。
この記事をまとめます。
- プラークコントロールとは、口内のプラークを除去して良い状態を保つことを指す
- プラークコントロールは歯磨きだけでなく、食生活の見直しや歯科の受診も有効
- 歯ブラシだけでケアしている人は、フロスや歯間ブラシの併用がおすすめ
口内環境は虫歯や歯周病はもちろん、全身の健康に大きく影響します。
「お口の環境が悪い気がする」「歯石や虫歯を指摘されることが増えた」という方は、ぜひデンタルケアを見直してみてください。
プラークコントロールの強化には、デンタルケアの見直しがおすすめです。
オーラルケアを見直したい方は、ぜひOKAMURAのデンタルケアアイテムをチェックしてみてください。